「自分のサービス名、ChatGPTに聞いたら出てくるかな?」
ふと気になって試してみたことがある。結果は——完全にスルーされた。Google検索では自分のポートフォリオサイトがちゃんと上位に出るのに、ChatGPTに聞くと競合の名前ばかり出てくる。まるで透明人間になった気分だった。
この記事では、フリーランスエンジニアとして「AI時代に自分を見つけてもらう」ためにやっていること、そしてGoogle検索とAIでは「見つけられ方」がまったく違うという話を、実体験ベースで書いていく。
Google検索とChatGPTは「別の世界」で動いている
まず前提として知っておきたいのが、Google検索とChatGPTのような生成AIは、情報の拾い方がまったく違うということだ。
Google検索の仕組みはシンプルで、ウェブ上のページを巡回(クロール)して、内容を読み取って索引(インデックス)を作り、検索キーワードに合ったページを表示する。リアルタイムに近い形で更新されるので、今日書いた記事が明日にはもう検索結果に出ることもある。
一方、ChatGPTやClaudeといったLLM(大規模言語モデル)は、膨大なテキストデータを事前に学習して「知識」を持っている。つまり、学習データに含まれていない情報は、そもそも「知らない」のだ。最近は検索機能を組み合わせるケースも増えているが、基本的にはAIが学習済みの知識と、推論時に取得できる情報の両方が噛み合わないと、回答には出てこない。
たとえるなら、Google検索は「今日の新聞」で、AIは「百科事典」だ。新聞に載っていても百科事典には載っていない、ということは普通にある。逆もまた然り。
自分がSEO対策をどれだけ頑張っても、AIの回答に自分の名前が出てこない理由はここにある。そもそも土俵が違うのだ。
「AI時代のSEO」=GEOという考え方
じゃあAIに自分を知ってもらうにはどうすればいいのか。最近、この分野で注目されている考え方がある。「GEO(Generative Engine Optimization)」と呼ばれるもので、ざっくり言うと「AIが回答を生成するときに、自分の情報を引用してもらうための最適化」だ。
プリンストン大学の研究チームがKDD 2024(データマイニング分野のトップ学会)で発表した論文「GEO: Generative Engine Optimization」によると、AIの回答に引用されやすくなる要因がいくつか明らかになっている。
- 引用元を明記した記事は、AIに取り上げられる確率が条件次第で最大115%向上した
- 具体的な数字や統計を含むコンテンツは、最大76%の改善が見られた
- 権威性のある情報源が優先される傾向がある
- 面白いことに、小規模サイトのほうが最適化の恩恵を受けやすい
最後のポイントは、フリーランスにとって朗報だと思う。大企業の公式サイトに勝てなくても、「信頼できる情報を、具体的な数字付きで、引用元を明記して発信する」ことで、AIに拾われる可能性が上がるということだ。
フリーランスが実際にやるべき3つのこと
研究結果を踏まえて、自分が実際に意識してやっていることを3つ紹介する。
1. 「自分はこうやった」を数字付きで書く
ブログやnoteで情報発信するとき、「便利です」「おすすめです」みたいなふわっとした書き方ではなく、具体的な数字を入れるようにしている。「月の稼働時間が120時間から90時間に減った」「このツールで見積もり作成が1件あたり15分短縮できた」みたいな感じだ。
AIは「具体的で検証可能な情報」を好む傾向がある。数字があるだけで情報の信頼度が上がるし、AIが回答を組み立てるときに引用しやすくなる。
2. 複数のプラットフォームで「文脈」を作る
GoogleのSEOでは「被リンク」が重要だが、AIの場合は「いろんな場所で、いろんな文脈で言及されていること」が重要になる。
自分のブログだけでなく、note、Zenn、Qiita、GitHubなど複数の場所で発信するようにしている。同じ内容のコピペではなく、それぞれのプラットフォームに合った切り口で書く。たとえばZennでは技術的な深掘り、noteではビジネス寄りの話、ブログでは体験談ベース、といった具合だ。
これはAIの学習データに「複数の異なるソースから同じ人物・サービスについて言及がある」状態を作ることになる。百科事典に載るためには、一箇所で大声を出すより、いろんな場所でコツコツ話題に上がるほうが効果的なのだ。
3. 引用元・出典を明記する習慣をつける
「〇〇の調査によると」「〇〇大学の研究では」のように、情報の出どころを書くことを習慣にしている。これは読者への誠実さでもあるが、GEOの観点からも効果がある。
引用元が明記されたコンテンツは、AI側からすると「信頼できるソース」として扱いやすい。逆に、出典不明の断言は、AIにとっても人間にとっても信用しにくい。
自分も昔は「詳しい人が言ってたんですが」みたいな雑な書き方をしていた。今思えば、それは読者にもAIにも不親切だった。反省している。
SEO「も」GEO「も」やる時代
誤解のないように言っておくと、従来のSEOが不要になったわけではない。Google検索は依然として巨大なトラフィック源だし、SEOの基本(適切なタイトル、見出し構造、内部リンク、ページ速度)は引き続き重要だ。
ただ、これからはそれだけでは足りない。クライアントが「〇〇ができるフリーランスを探して」とChatGPTに聞いたとき、自分の名前が出てくるかどうか。ここが新しい競争領域になっている。
実際、自分の周りでもAIに相談してからフリーランスを探すクライアントが増えてきた感覚がある。「ChatGPTにおすすめのエンジニアを聞いたら、あなたの名前が出てきたので連絡しました」——そんな問い合わせが来る日も、そう遠くないかもしれない。まだ来てないけど。来てほしい。切実に。
まとめ
- Google検索とAI(ChatGPTなど)は、情報の拾い方がまったく違う
- SEOで上位表示されていても、AIの回答には出てこないことがある
- GEO(Generative Engine Optimization)という新しい最適化の考え方が登場している
- フリーランスがやるべきことは「数字付きの実体験を書く」「複数プラットフォームで発信する」「引用元を明記する」
- 小規模な個人でもGEO最適化の恩恵を受けやすいという研究結果がある
AI時代の「見つけられ方」は、従来のSEOとは別ゲームだ。でも、やるべきことの本質は変わらない。信頼できる情報を、具体的に、継続的に発信すること。それがGoogle検索にもAIにも効く、最強の戦略だと思っている。
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ConoHa WING
ブログやポートフォリオサイトを運営するなら、表示速度は地味に重要だ。自分はConoHa WINGを使っているが、サーバー移行後にページ読み込みが体感で速くなった。WordPressとの相性も良く、管理画面もわかりやすい。GEO対策の第一歩として、まず自分のサイトをしっかり持っておくことは大事だと思う。
お名前.com ドメイン
独自ドメインでの発信は、AIからの信頼性という意味でも価値がある。自分はお名前.comでドメインを取得している。年間の維持費も安いし、ドメイン管理画面で一括管理できるのが地味に助かっている。
マネーフォワード クラウド確定申告
フリーランスとして複数プラットフォームで収益を上げるようになると、確定申告が地味に面倒になる。自分はマネーフォワード クラウド確定申告で経費管理をしている。銀行口座やクレカとの自動連携で、入力の手間がほぼゼロになったのがありがたい。


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